東洋大学に合格したけどFラン大学に進学した理由

  

この記事で解決できるお悩み

✔️筆者がFラン大学を選んだ理由は?

✔️決断したときの周囲の反応は?

✔️Fラン大学の実態は?

こんなお悩みを解決できます。

多くの進学校では「なるべく有名で偏差値の高い大学への進」を推奨しています。先生方も非常に熱が入っていますよね。高校時代の私も、同じ考えでした。

高校生活の大半を部活動に捧げてしまった私は、高校3年生の8月から本格的な受験勉強を開始しました。

部活引退直後の私のイメージ

部活を引退した直後に受けた模試では偏差値40という厳しい結果に。

「このままでは駄目だ」と集中的に勉強を続け、目標としていた東洋大学からの合格通知を手にすることができました。

東洋大学に合格したのになんでFラン大学に進学したの?

結論

本当に勇気のいる決断でした

周囲からは「何を考えているの?」と驚きや疑問の声を多く受けました。

東洋大学とFラン大学、通常では迷うことのない選択かもしれません。しかし、大学を卒業してから6年が経過した今、当時の決断を振り返り、それが「本当にベストな選択」だったのかを考察してみたいと思います。

Fラン大学への進学を決断したワケ

本音を言うなら、私も東洋大学へ進学し都内で1人暮らしをしたかった。しかし、当時の私の背景を考えると東洋大学への難しかったのです。主な理由は以下の通りです。

1人暮らしの費用を負担できなかった

一番大きな理由はシンプルにお金ですね。

私の家庭は両親ともに高卒のサラリーマン。私立高校に進学させてもらいましたし、貧乏ではなかったと思うのですが、かといって経済的な余裕もない状況でした。

私には3歳差の弟がおり、私と弟が2人とも大学に進学するために以下の条件がありました。

  • 浪人は避ける(絶対に!)
  • 大学の学費は出してもらえる
  • 1人暮らしをするなら自分で負担
  • 海外研修や留学の費用は自分で負担

高校生だった当時、東洋大学のある東京都文京区で1人暮らしをした場合の生活費を調べてみると、以下のことがわかりました。

生活費東京都文京区
家賃50,000円
水道光熱費10,000円
食費20,000円
通信費5,000円
合計85,000円

毎月最低でも約8.5万円必要だとわかりました

そのほかに友人と遊んだり、海外研修に参加することを考えると、月に10万円は毎月安定して稼がなければなりません。

大学では学業に専念したかった

高校時代は部活に明け暮れた分、大学ではしっかり勉強したかったのです。

「東洋大学へ進学したい」、「バイトをして都内で1人暮らしをするんだ!」という決断をした場合、かなりの時間をバイトに費やさなければなりません。

1ヶ月に10万円稼ぐにはどれだけ働かないといけないの?

1ヶ月で約100時間ですね

当時、私が応募できそうな東京都内のアルバイトの時給は約1,000円。月に10万円稼ぐには1ヶ月で約100時間ほど働かないとなりません。

つまり1日にどれくらい働かないといけないんだ?

  • 週に25時間
  • 1日平均3.5時間

1、2年生のうちはまだ時間がありますが、3、4年生になると就職活動や卒業論文で忙しくなります。「その状況でも続けられるか?」と自問自答したとき、私の答えは「No」でした。

「海外研修の費用を貯めたい」や「お小遣いを稼ぎたい」という動機なら、楽しく余裕を持って働けると思いますが、「どうしても稼がないと生活できない」という状況だと、精神的な余裕が失われてしまいます。

せっかく大学に進学したのに、勉強せずにアルバイトばかりしている生活は避けたかったのです。

奨学金に頼りたくなかった

1人暮らしの生活費(約10万円)を日本学生支援機構の奨学金で補填するという案も考えました。

日本学生支援機構
無利子分60,000円
有利子分40,000円
合計100,000円

上記の金額を大学4年間借りた場合の返済額は約500万円です。

新卒から43歳になるまでの20年間、毎月約23,000円を返済し続けなければなりません。月額23,000円だったら返済できそうな気もします。

正直かなり迷いました。しかし、奨学金は4年後の自分の負債です。大学卒業後の自分を苦しめることになると思い辞めました。

通学時間は1時間内にしたかった

実家からの通学も考えたのですが、こちらも断念しました。

高校時代は実家から1時間半かけて通学していたんですが、私としては結構辛かったんですよね。だから何としても通学は1時間以内にしたかったのです。

実家は関東にあるんじゃないの?

関東ですが、都内まで2時間くらいかかってしまいます

東洋大学はさらに時間かかり、電車で約3時間ほど。とても4年間は通学し続けられないと思いました。

片道3時間通学を続けた場合のイメージ

毎月20日、4年間通学し続けた場合、約5,760時間電車に揺られ続けることになります。240日間は電車の中。それはあまりに時間がもったいない気がしました。

Fラン大学へ進学した際の周囲の反応

東洋大学へ入学金を支払うか、諦めるか。頭が痛くなるほど悩み、支払い期限ギリギリまで親と話し合いました。結果的に東洋大学への進学を諦め、Fラン大学へ進学することを決断したのですが、その際の周囲の反応を以下にまとめてみました。

両親「申し訳ない」

両親からは「せっかく一生懸命勉強して合格したんだけど、生活費までは負担できない。ギリギリまで検討したんだけど、やっぱり難しそう。申し訳ない」といった旨の言葉をかけてもらいました。必死に働いてくれている両親のことを思うと文句なんて、とても言えません。

両親は「今いる場所でベストを尽くせばそれで良い」というスタンスなので、進学先がFラン大学であることについては「大学のランク関係なくしっかりやってくれればそれで良い」と、特段何も言われませんでした。

親戚「頑張ってきてね」

良くも悪くも、親戚に大卒者がいなかったため、Fラン大学へ進学することに対しては何も言われませんでした。

高校の友人「本当にそれで良いの?」

これがリアルな反応ですよね。

私が在籍していた高校は中高一貫校でした。小学生から大学受験を見据えて勉強してきた人たちばかりで、国公立や早慶上智に合格する友人も多かったです。

そんな環境下で、Fラン大学に進学するのは私だけでした。

友人からは最後の最後まで、「せっかく勉強してきたのに、本当にそれで良いのか」と心配された記憶が鮮明に残っています。きっと彼らは真剣に私のことを考えてくれていたのでしょう。それが嬉しかった一方で、経済的な理由を説明できずにいました。

ほとんどの友人が経済的に余裕のある家庭出身だったため、「お金を理由にFラン大学へ進学する」という選択は理解されにくかったです。

私に国公立に合格する学力があったなら「お金を理由に諦めなければならない」という問題は起きなかったわけで、ある意味自分の実力が足りなかったと納得させるしかありません。

高校の先生「納得しているなら良い」

先生には事情を話しました。私のようにFラン大学へ進学を決断する生徒はほとんどいないので、驚かれたものの、最終的には「自分が納得していればそれで良いのではないか」と受け入れてくださいました。

【体験談】Fラン大学のウソ、ホント

世間ではFラン大学に対する否定的なイメージが多く存在します。しかし、そのすべてが真実ではありません。卒業生として、よく知られていないFラン大学の実態をお伝えします。

入学基準が低い

「誰でも入れるんじゃないの?」
ホント。ただし、学部による。

概ね世間のイメージと同じで、基本的には誰でも入学できます。しかし、看護学部、薬学部などの人気の学部などは普通に不合格になります。

授業の質が低い

「授業の質があまり良くないって聞いたことがあるよ」
半分ホントで、半分ウソ

他の大学の授業を受けたことがないので比べようがありませんが、専門科目(国家試験を受験するための必須科目)の授業に関して質が低いと感じたことはありません。

ただ、英語の授業はマジでbe動詞から始まります。

Fラン大学生でしたけど、受験勉強でセンター試験で6〜7割ほどは取れるようになっていましたし、「なんで13歳のときに習った内容を19歳になってやらないと行けないんだ!!」と物凄く悲しくなった記憶があります。

学生のモチベーションが低い

「やる気のない学生が多いんでしょ?」
半分ホントで、半分ウソ

モチベーションがとても高い学生とものすごく低い学生が二極化していました。学部ごとで特徴はあると思いますが、私が在籍していた学部は中間層がいなかった印象です。

モチベーションが高い学生には以下のいずれかの特徴がありました。

  • 過去に成功体験がある
  • 将来の目標が明確
  • 学歴に劣等感を持っている
モチベーションが高い学生リスト

過去に成功体験がある学生

再起 学(仮名)

さいき まなぶ

プロフィール

5年前まで国立大学の工学部に在籍していた。本来の希望は医学部だったが、家庭の経済的な理由から「国立大学のみ・浪人禁止」という厳しい条件のもとで挑戦し不合格。合格した工学部に入学するも、自分の関心とは合わずに退学を決意。その後、アルバイトをしながら新たに学びたいことを見つけ、目的を達成するためにFラン大学に入学した。英語が堪能で、就職活動でも多くの内定を獲得する。

将来の目標が明確な学生

会計 勝太(仮名)

かいけい しょうた

プロフィール

医師や弁護士と並ぶ、日本三大国家資格の一つである公認会計士試験に、在学中に「現役合格」を果たした。合格までの2大関門である短答式試験には3年時に、論文式試験には4年時に合格。就職は、日本の代表的な4大監査法人の一つに決まった。高校時代はあまり勉強しなかったものの、大学では簿記をしっかり学びたいと考え、簿記に強い大学を選んだ。高校時代の恩師からは「大学のランクは関係ない。環境が許す限り自分のやりたいことをやるべきだ。あきらめるな」と励まされ、それが心の支えになっていたそう。

学歴に劣等感を持っている学生

昇学 優花(仮名)

しょうがく ゆうか

プロフィール

家庭の経済的な理由から、大学進学の条件は国立大学か、成績優秀者として学費免除を受けられる大学に限られていた。浪人も禁止されていたため、国立大学に不合格となった後は、学費免除の対象となるFラン大学への進学を決断した。周囲には明かさないが、心の中では「私は他のFラン大学生とは違う。もし経済的に余裕があれば、有名私立大学にも進学できた」という強い思いを抱えている。学歴コンプレックスを原動力に変えて、「就職活動こそは!」という姿勢で学業以外にもサークル活動、留学、インターンシップに精力的に取り組む。4年間のうち2回、学年首席を獲得した。就職活動では応募した企業全てから内定を得る。

あくまでも私の感覚ですが、上記のようにモチベーションが高い学生は全体の10%くらいです。

就職に不利

「就職は不利なんでしょ?」
ウソ

「Fラン大学の学生だから就職に不利?」とよく言われますが、それは誤解です。私自身や周りの友人、先輩たちも、複数の企業からしっかりと内定を貰っていました。

Fランク大学の出身であることよりも、不採用の主な理由は、企業が求める人物像に合わなかったり、その人の能力が企業の求める水準に達していなかったりすることです。

確かに、一部の大企業では「GMARCH以下は採用しない」といった学歴フィルターを設けていることがあります。しかし、そういった企業との縁がなかったと割り切るほかありません。

実際、社会にはFラン大学卒の先輩たちが何千人、何万人もいて、30代や40代で重要な役職に就いている人も多くいます。それが、学歴だけがすべてではないことの何よりの証拠です。

社会的評価が低い

サポート体制の欠如

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